アスベスト除去工事はとても重要で、危険を避けるためにしっかりとした方法で行わなければなりません。
アスベスト除去工事は、建物や構造物からアスベストを安全に取り除くための作業ですが、これは非常に慎重かつ専門的な取り組みが求められる作業です。アスベストは健康に深刻な影響を与える可能性があるため、除去作業には法的な規制も多く、十分な注意が必要です。
1. アスベストの危険性
アスベストは、かつて耐火性や絶縁性が高いため、建材や断熱材などに広く使用されていました。しかし、アスベストの繊維を吸い込むことによって、肺がんや中皮腫、アスベスト症などの深刻な疾患を引き起こすことが知られています。このため、アスベスト除去工事を行う際は、その危険性を十分に理解し、安全対策を徹底する必要があります。
2. アスベスト除去工事の準備段階
アスベスト除去工事を実施する前には、いくつかの準備が必要です。以下にその重要な準備事項を挙げます。
2.1. 現地調査と分析
まず最初に行うべきは、アスベストが含まれているかどうかを確認するための現地調査です。既存の建物や設備にアスベストが使用されている場合、施工主や関係者はその範囲や種類を把握し、工事計画を立てる必要があります。アスベストの含有の有無を確認するためには、専門の調査機関に依頼して、建材のサンプルを採取して分析することが求められます。
2.2. 作業環境の確認
アスベスト除去工事は、閉鎖的な作業環境で行うことが重要です。工事を行う場所は、事前に周囲の安全を確保し、必要に応じて周辺区域に立ち入り禁止区域を設ける必要があります。また、作業エリア内で発生する粉塵が外部に漏れないように、適切な封じ込めが行われなければなりません。
2.3. 必要な許可・申請
アスベスト除去作業には、法的な規制が存在します。多くの国や地域では、アスベスト除去工事を行う前に、専門の許可や申請が必要です。日本においても、「労働安全衛生法」や「建築基準法」などに基づき、アスベスト除去に関する規定が厳格に設けられています。事前に必要な手続きを行い、許可を取得しておくことが重要です。
3. アスベスト除去作業の実施
アスベスト除去作業は、専門的な技術と装備を必要とするため、資格を有する専門業者に依頼することが基本です。以下に、除去作業の具体的な流れを説明します。
3.1. 作業員の安全対策
アスベスト除去作業を行う作業員は、特別な防護具を着用する必要があります。これには、以下のような装備が含まれます。
呼吸用保護具:アスベストの繊維を吸い込まないように、十分に密閉された防塵マスクや空気清浄装置付きのヘルメットを着用します。
防護服:アスベストの繊維が衣服に付着しないように、全身を覆う防護服を着用します。服は一度使用したら廃棄することが多いため、再利用ができないものが一般的です。
手袋や靴カバー:アスベストを触れた部分からの拡散を防ぐため、手袋や靴カバーも着用します。
3.2. 作業エリアの隔離
アスベスト除去作業を行うエリアは、厳重に隔離され、作業員以外の人が立ち入らないようにします。エリア内はビニールシートやスチールパネルなどで完全に封じ込め、作業中に発生する可能性のあるアスベストの繊維が外部に漏れないようにします。
3.3. アスベストの取り扱い方法
アスベスト除去時に重要なのは、アスベストを破壊せず、粉塵を最小限に抑えることです。アスベストが含まれた建材や製品は慎重に取り扱い破損させないようにします。切断や削除などの作業を行う際は、湿らせた状態で作業を進めることが推奨されます。湿度を高く保つことでアスベストの繊維が舞い上がるのを防ぎます。
3.4. 除去後の清掃
作業後には、使用した防護具や作業場所の徹底的な清掃が求められます。作業場や道具に残ったアスベスト繊維が外部に漏れないように、適切に清掃することが必要です。高性能のHEPAフィルターを搭載した掃除機を使うことが一般的で掃除後は全てのアスベスト繊維を完全に除去するために追加的な確認作業を行います。
4. 廃棄物処理
アスベスト除去作業中に発生した廃棄物は、適切に処理しなければなりません。アスベストを含んだ廃材は、特別に指定された廃棄物処理施設で処理される必要があります。日本では、アスベストを含む廃材は主に「特別管理産業廃棄物」として扱われ、法的に厳格な処理が義務付けられています。
廃棄物の収集や運搬時も注意が必要で、袋詰めや梱包が適切に行われ、運搬中にアスベストが外部に漏れないように厳重に管理する必要があります。
5. 作業後の確認と報告
アスベスト除去作業が終了した後、作業が適切に行われたかどうかを確認するために、作業現場の空気中にアスベスト繊維が残っていないかを検査します。この検査は、専門の機関に依頼して行うことが一般的です。検査結果に問題がない場合にのみ、工事が完了したと見なされます。
また、アスベスト除去工事後には、関係者への報告書を提出することが求められます。この報告書には、作業内容、使用した設備、実施した安全対策、検査結果などの詳細を記載し、法的な義務を果たします。
6. 法律や規制の遵守
アスベスト除去工事は、法律や規制に基づいて厳密に実施する必要があります。日本では、アスベストに関する法律として「アスベスト特別措置法」や「労働安全衛生法」が存在します。これらの法律は、作業員や周囲の住民の安全を守るため、アスベスト除去作業に関する様々な規制を定めています。作業を行う際にはこれらの法律を遵守し適切な手続きを踏むことが不可欠です。
まとめ
アスベスト除去工事は、作業員や周囲の人々の健康を守るために非常に重要な作業です。除去作業を行う際には、事前の準備や計画、作業中の安全対策、廃棄物の適切な処理など、細部にわたる配慮が必要です。作業を行う際は必ず専門業者に依頼し、法律や規制を遵守して安全を確保することが求められます。

